私が所属するフラワーワークスジャパン(以下FWJ)の資格コースでは、将来お花の仕事を目指す方がステップアップできるよう、年に2回の資格試験が行われます。今回は、私の教室から受験された生徒さんが「総合ベーシック1」に挑戦し、見事合格されました。これまでの努力の積み重ねと、これから始まる新しいステージへの想いを、心を込めてご紹介いたします。

生徒さん資格試験に挑戦!

FWJでは、資格コースに進まれた生徒様を対象に、将来お花の仕事を目指す方のための資格試験が設けられています。
資格取得は単なる通過点ではなく、“お花と向き合う姿勢”や“自分自身の成長”を形にする特別な節目でもあります。

毎年2月と7月に開催されるこの試験は、受講生にとって大きな目標。
それぞれの教室で日々の練習を積み重ねながら、その日のために準備を進めます。
作品の完成度はもちろん、花材の扱い方、バランス、そして何より“花に対する心”が試されているのだと思います。

今回、私の教室からも一人の生徒さんが挑戦されました。
7月の下旬に行われた「総合ベーシック1」の試験。
その挑戦までの道のりには、たくさんの努力と、静かな情熱がありました。

私自身もかつてこの試験を受けましたが、実は自分のときよりも、生徒さんが受けるときの方がずっと緊張します。
「大丈夫かな?」「練習の成果が出ますように…」と、前日の夜はなかなか眠れません。
先生として見守る立場になった今、努力する生徒さんの姿を見るたびに、自分が最初にお花と出会った頃の気持ちを思い出します。


FWJの資格試験とは

「総合ベーシック1」ってどんな試験?

「総合ベーシック1」は、FWJ資格の中でも最初に受ける生花の基礎となる試験です。
ベーシックという名前の通り、お花の扱い方やデザイン構成の基本がしっかり身についているかを確認します。

試験内容は、事前に抽選で決められたデザインに沿って花材をアレンジし、形・サイズなどを総合的に評価されます。
限られた時間の中で自分の力を最大限に発揮するには、落ち着きと集中力が欠かせません。
見た目の美しさだけでなく、花の切り方、オアシスへの挿し方、茎の角度、全体の出来上がり…その一つ一つが評価の対象になります。
もちろん、決められた時間内に仕上げなければなりません。

生徒さんたちは日々のレッスンの中で何度も練習を重ね、先生と一緒に仕上がりを確認しながら、本番に備えます。
“ただ作る”だけではなく、“基本を理解した上で美しく作る”というのが、FWJの資格試験の特徴です。

試験会場の様子

これまでは本校である「アトリエフィーズ」で試験が行われていましたが、今回は受験生が多かったため、外部の会場をお借りして行われました。
広い空間に並ぶテーブル、整然と並べられた花材、そして真剣な表情の受験生たち。
花切りバサミの音や、オアシスに挿すときの小さな音が、会場に緊張感を漂わせます。

そんな中で、生徒さんはいつも通りの落ち着いた手つきでアレンジを進めておられました。
一つひとつの花を丁寧に見つめ、形を整え、色のバランスを確認しながら仕上げていく姿に、私も胸が熱くなりました。
「この瞬間のために、これまで頑張ってこられたんだな」と。


生徒さん、見事合格!

約2年の積み重ね

今回合格された生徒さんは、2020年の4月に体験レッスンにお越しになったのが最初の出会いでした。
初めてお会いしたときから、お花に対するまっすぐな気持ちを感じていました。
その後すぐに資格コースへ進まれ、月に1~2回のペースでコツコツとレッスンを続けてこられました。

お仕事やご家庭のことと両立しながら、花と向き合う時間を大切にされてきた姿がとても印象的でした。
時には思うように形が決まらなかったり、花材の扱いに苦戦したり…。
でも、そういう小さな壁を一つひとつ乗り越えるたびに、確実に技術が身についていくのを感じました。

そして、試験本番。
これまで積み上げてきた練習の成果をしっかり発揮され、見事に「総合ベーシック1」に合格!
本当におめでとうございます!

教える立場としての喜び

この合格は、生徒さんにとってだけでなく、私にとっても大きな喜びでした。
先生という立場は、技術を教えることが仕事ですが、同時に“誰かの成長を支える”存在でもあります。
生徒さんが壁を乗り越え、自信をつけ、笑顔で「できました!」と報告してくださるその瞬間ほど嬉しいことはありません。

今回の合格の報告を聞いたとき、思わず声を上げてしまいました。
「やったー!」と。
教室の空気がふわっと明るくなって、みんなで拍手を送りました。


次のステップへ「花仕事支援セミナー」

夢を形にするための学び

「総合ベーシック1」に合格すると、次のステップとして「花仕事支援セミナー」を受けることができます。
これは、FWJが主催する、将来お花の仕事を目指す方のための特別なセミナーです。

このセミナーでは、単に技術を高めるだけでなく、“お花で人を幸せにする”という仕事の本質を学びます。
花を生ける技術やセンスはもちろん大切ですが、それだけではお仕事にはなりません。
自分の想いをどのように発信していくか、どんな形で人に届けたいのか――。
そうした「考え方」や「伝え方」を学ぶことができるのが、このセミナーの魅力です。

セミナーで得られること

たとえば、

  • SNSやブログでの発信のコツ
  • 自分らしい教室づくりの考え方
  • お客様や生徒様とのコミュニケーション
  • 教える立場としての心構え
  • 実際の教え方

など、実際にお花を仕事にしていく上で必要な知識がぎゅっと詰まっています。
また、他教室の仲間たちとつながりができるのも大きな魅力。
同じ夢を持つ人たちと出会うことで、新たな刺激や目標が生まれます。

今回合格された生徒さんも、次はこのセミナーでさらなる学びを深められます。
きっとまた、新しい視点が増え、お花の世界の奥深さを感じられることでしょう。


「教室開校コース」への道

教える喜びを学ぶ時間

資格を取得した後は、「教室開校コース ベーシック2」へと進みます。
このコースでは、自分が学んできた技術を次の世代へ伝える力を育てていきます。

「教える」というのは、ただ技術を教えるだけではありません。
相手の個性を引き出したり、うまくいかないときに寄り添ったり、その人のペースを尊重したり――
人と関わる力が求められます。

生徒さんも今、教室開校コースで新しい挑戦を始められています。
最初は「私にできるかな?」と少し不安そうでしたが、これまでの努力を見ていると、その心配はいりません。
きっと、誰かの心に花を咲かせる先生になられると信じています。


最後に、先生としての想い

教室を続けていると、季節ごとにさまざまなドラマがあります。
春は新しい出会い、夏は努力の実り、秋は深まる学び、冬は次の目標への準備。
その中で生徒さん一人ひとりが、それぞれのペースでお花と向き合い、成長していく姿を見ることが私の大きな喜びです。

お花の世界は、学べば学ぶほど奥が深く、終わりがありません。
だからこそ、常に“今の自分を大切にしながら進むこと”が大切だと思います。
資格はゴールではなく、新しいスタート。
今回の合格をきっかけに、生徒さんがこれからどんな花の道を歩まれるのか、とても楽しみです。


まとめ、努力は必ず花開く

お花を学ぶことは、ただ技術を習得するだけではなく、自分の心を整える時間でもあります。
花と向き合う静かな時間の中で、自分を見つめ直し、少しずつ成長していく――。
その積み重ねの先に、確かな実力と自信が芽生えます。

今回の合格は、その努力の証。
そして、これからの人生に新しい彩りを加える大切な一歩です。

改めて、生徒さん、本当におめでとうございます!
これからも一緒に、お花の道を楽しく歩んでいきましょう。


とてもうれしかったので、とりあえずのご報告でした。

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