目次
はじめに ― 手作りのクリスマスを楽しむということ
クリスマスが近づくと、街のあちこちに灯りがともり、冬の空気が少しだけ甘く感じられるようになります。
お店のディスプレイが少しずつ変わり、リースやキャンドルが並びはじめると、「あぁ、今年もこの季節がやってきたんだな」と心がほっとする——そんな瞬間、ありますよね。
けれど、年末の慌ただしさに追われていると、ゆっくりと季節を感じる時間を忘れてしまいがちです。
そんなときこそ、自分の手で“世界で一つだけのリース”を作ってみることをおすすめします。
木の香りや葉の手ざわりを感じながら、少しずつ形になっていくその過程には、不思議な癒しと充実感があります。
アトリエ イングローズでは、毎年この時期になると、リース作りで教室中が森の香りで満たされます。
生のヒムロスギやブルーアイス、ユーカリのグリーンが机の上に広がり、生徒さんたちが笑顔でリースを作っている光景は、まさに冬の小さなアトリエの風物詩。
「初めてでも作れるかしら?」と少し不安そうにしていた方も、リースが形になるころには表情がぱっと明るくなり、「自分でもできた!」と微笑まれます。
それはまるで、リース作りを通して自分の中に眠っていた“創る喜び”が目を覚ますような瞬間です。
手作りのリースは、完成したときの達成感はもちろんのこと、作るまでの時間そのものが心を満たしてくれます。
忙しい日々の中で、ほんの数時間でも「自分のための時間」を過ごしてみる。
それが、暮らしに小さな温かさを灯してくれるのです。

ナチュラルリースの魅力とは?
自然素材が生み出す、やさしい存在感
生の針葉樹を使ったナチュラルリースの一番の魅力は、素材そのものの美しさです。
ヒムロスギやブルーアイス、ヒバなどの針葉樹をベースにすると、森の中のような清々しい香りが広がります。
光沢のある葉や少し曲がった枝も「自然のまま」が味わいとなり、世界にひとつだけのリースが完成します。

派手すぎず、長く楽しめるデザイン
ナチュラルリースは、赤やゴールドのきらびやかな装飾よりも、落ち着いた雰囲気が特徴。
クリスマスが過ぎても、冬の間はそのまま飾って楽しめるのも嬉しいポイントです。
時間とともに少しずつドライになっていく姿も、ナチュラルリースならではの味わいです。
手作りならではの「温かみ」
市販のリースも美しいけれど、自分の手で作ったリースには、どこか心の温もりが宿ります。
「この葉をどこに置こう」「この実をここに付けたら可愛いかも」――
そんな小さな工夫の積み重ねが、自分だけの作品を生み出す喜びにつながります。
初心者でも安心!基本のクリスマスリース作り方
まずはベース選びから
初心者の方には、馬蹄形(ホースシュー)リースや円形のリースベースがおすすめです。
馬蹄形は「幸運を呼び込む形」とされ、見た目にもスタイリッシュで飾るだけで玄関が華やかになります。

一方で円形のリースは、クリスマスの象徴的なデザイン。どんな素材とも相性が良く、初めての方でも安心して作れる王道のスタイルです。

木のベースやワイヤーベースなど、素材によって雰囲気も変わります。ナチュラル感を大切にしたい場合はつるや木の枝を編んだタイプを選ぶと、自然素材のやさしさが活きて、仕上がりにあたたかみが生まれます。
素材と道具の準備
リース作りの楽しみは、花材を選ぶところから始まります。
自然の香りを感じながらグリーンを束ねる時間は、心を落ち着けてくれるひとときです。
ナチュラルリースにおすすめの花材は以下の通りです。
- サツマロスギ・ブルーアイス・ヒバ(ベースのグリーンに)
- 木の実類(マツボックリ、ユーカリの実、シダーローズなど)
- アクセントのリボン(リネン・ベルベット・コットン素材)
グリーンの種類によって香りや質感が異なり、組み合わせ次第で全体の雰囲気がぐっと変わります。
柔らかい印象にしたいときはユーカリを多めに、落ち着いた雰囲気にしたいときはブルーアイスやサツマスギをベースにするとよいでしょう。
道具はシンプルで大丈夫です。
クラフト用のハサミ・リースワイヤー・グルーガン・リースベースがあれば十分。
初心者の方でも無理なく扱える道具ばかりです。
作り方の流れ
リース作りは、基本の3ステップで完成します。
- ベースにグリーンを少しずつ重ねて巻きつける
小さな束を作り、時計回りに重ねていくとバランスが取りやすくなります。
葉の流れを意識して、自然に重なり合うように巻きつけていきましょう。 - バランスを見ながら木の実や小枝を差し込む
グリーンの間に木の実をランダムに入れていくと、ナチュラルな立体感が生まれます。
同じ素材を左右対称に入れすぎず、「少し崩す」ことで自然の表情に近づきます。 - リボンをアクセントに結び、全体の形を整える
リボンの素材や位置で印象が変わります。
ナチュラルに仕上げたいときは、麻やリネン素材のリボンをゆるく結ぶのがポイント。
華やかに見せたいときは、ベルベットの赤いリボンを中央にあしらうとクリスマスらしい雰囲気になります。



完璧を目指す必要はありません。
「自然の流れに任せて」枝の向きや葉の重なりを楽しむ気持ちで作ると、仕上がりに味わいが生まれます。
自分の手で作ったリースには、手仕事ならではのぬくもりが宿り、同じものはひとつとしてありません。
季節の香りを飾る ― クリスマスリースのある暮らし
玄関に飾ると、香りが迎えてくれる
玄関にリースを飾ると、帰宅するたびにふわりと広がる木々の香り。
自然の香りは、心を落ち着かせ、日々の疲れをやわらげてくれます。
お客様を迎えるときも、穏やかで温かい印象を与えてくれます。

テーブルリースとして楽しむ方法
リースを平らに置き、中央にキャンドルを添えるとテーブルアレンジとしても楽しめます。
食卓に森の香りを添えるだけで、クリスマスディナーがぐっと特別なものに。
火を使う際は、キャンドルの炎が葉に触れないよう安全に注意しましょう。

リースが伝える「おもてなしの心」
日本の歳時記では「迎える心」が大切にされてきました。
リースを飾ることも、そのひとつの表現です。
玄関やリビングのリースには、「ようこそ」の気持ちがそっと込められています。
アトリエイングローズのクリスマスリースレッスン
レッスンで感じる“森の香り”
アトリエイングローズのクリスマスリースレッスンでは、毎年サツマスギ、ブルーアイス、ヒバなどを使用します。
教室に入った瞬間、森のような香りが広がり、自然と深呼吸したくなる空間です。
リボンや飾りを選ぶ楽しみ
同じ花材でも、リボンの色や素材を変えるだけで印象が大きく変わります。
赤を選べば温かく華やかに、白を選べば上品で静かな印象に。
生徒さん一人ひとりの好みを活かしながら、“その人らしいリース”が完成します。
作る時間そのものが、心を整える時間
花やグリーンを手に取る時間は、忙しい日常の中で「心をリセットするひととき」。
完成したリースを見て、「自分でも作れた」と笑顔になる瞬間が、何よりの贈り物です。
アトリエイングローズでは、その“作る過程の豊かさ”を大切にしています。

リースを長持ちさせるコツとアレンジのアイデア
ドライに変化していく過程を楽しむ
ナチュラルリースは、生のグリーンが少しずつ乾いていく過程も美しいものです。
飾る場所は直射日光を避けた風通しのよい場所がおすすめ。
日ごとに色が変わり、深い緑やベージュへと変化していきます。
アフタークリスマスも楽しめる工夫
リボンを外して、木の実だけを残せば、冬のインテリアとして長く飾れます。
ナチュラル素材ならではの柔らかい色合いが、季節をまたいでもなじみやすいのです。

オリジナルのアレンジを加えてみる
お気に入りのオーナメントや小さな花束を組み合わせることで、自分だけの個性を出すことができます。
たとえば、白い小花や綿の実を添えると、やさしい雪景色のような印象に。
おわりに ― 花とともに季節を楽しむ
クリスマスのリースには、「永遠の幸せ」や「家族の絆を守る」という意味が込められています。針葉樹の香りに包まれながら、ひとつひとつの枝を丁寧に重ねていく時間は、まるで心を整えるようなひとときです。
手づくりのリースは、飾るたびにその人らしさがあらわれ、家の中にやさしい空気を運んでくれます。今年の冬も、花やグリーンを通して、あたたかい気持ちが広がりますように。
アトリエイングローズでは、季節ごとに心を整える花レッスンを行っています。
はじめての方も、どうぞ気軽にご参加ください。
2025年クリスマスシーズンのレッスンは馬蹄形リースのレッスンです。
ジュートのリボンを付け、全体的に色を抑えたナチュラルなリースです。


